Yusuke Takano

マイペースに、そして継続すること。
遊びのあるポップなデザインで楽しみながらもサステナブルを
実践できる革製品ブランドDELFE、高野 雄介。

 

 

社会と関係が深くなればなるほど早くなる時間の流れ。そしてその時間のように消費されていく多くの製品たち。

本当に必要なものや大切なことが見過ごしがちになってしまっている時代。
そんな時代だからこそ一度立ち止まってマイペースに、自分の好きなものだけ使ってみる。

そんなことから自分の好きを探してみる。

少し先を生きるアーティストの生き方や価値観の中から好きを見つけるヒントを探す、The Youth Store Interview。

日々進化してゆくハイスペックな素材とは相反した「生きた革」を使用することで革特有の経年変化、自身に馴染み「道具」になってゆく感覚を提案するブランドDELIFEの代表、高野雄介。

型にはまらない自由なデザインを木や革など生きた素材に施すことでサステナブルなビジネスを広げていきたいと語る彼の価値観や生き方に迫った。

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【Profile】

高野 雄介 / DELIFE

1990年生まれ。21歳から独学でレザークラフトを開始。
2017年にはクラウドファンディングにて支援を募りmedium編集社にて初の個展を開催。
京都藤井大丸にて催事を開催。現在BtoB、OEM事業を主に展開。
2019年には企業と提携し中国、台湾へ製品輸出を開始。
2020年新ブランド「DELIFE」を開始。
2020年11月にはシミュレーションシステムを導入しフルオーダーメイドのレザー グッズを作れるオンラインストアを開設予定。

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ーまずはDELIFEというブランド名について教えてください。

あんまり深くは考えていなかったんですけど(笑)。

”LIfe”って言葉は絶対使いたかったんですよ。「命」みたいなテイストも含んでいる言葉じゃないですか。なので”Life”は絶対使いたいなと思っていました。それになおかつ造語にしたいな思っていて、”Delight”と”Life”をかけてDELIFEというブランド名になりました。

 

 

ーなるほど。”Life”という言葉にすごいこだわりを感じます。

今年の8月3日に会社にしたんですけど、それまではLIFE CYCLE PRODUCTSって屋号でやってたんですよ。

そのLIFE CYCLE PRODUCTSは「生活の循環」とか「命の循環」っていう意味でつけたんですよね。なんか革製品を使用するとビーガンの人に叩かれたりすることがあるんですよ。でも実際には革製品って副産物でしかなくて、毛皮だとそのために動物を犠牲にするということもあるんですけど、基本的にレザーって副産物の塊なんです。

その中でも環境に配慮した、エコレザーというものがあるんですけど、それだけを使って作る。だから命の循環。そしてそれを使うから生活の循環につながっていくという意味合いで”Liife”という言葉は使いたかったんです。

 

 

ー命の循環を革製品を通して発信していくブランドがDELIFEということですね。エコバッグについていたロゴもすごく可愛いです!

コンセプトでもある生きた革を使うというところなんですけど、アウトドアに生きた革を使うというのが革のイメージと割と相反してることだと思うんですよ。

アウトドア用品って軽い素材とか防水の素材を使うことが多いんですけど、レザーを使うっていうのが相反したこと。それでこのロゴ(ワッペン)が家の中でテント置いて寝ているみたいな、これも相反していることだなと思っていて。というテーマでこのロゴ(ワッペン)を使用しています。

 

 

 

 

ー確かに革製品は汚してはいけないイメージがあります、、ちなみに革ってどのあたりが産地になるんですか。

結構どこでもとれますね。北米とかイタリアとか。

どちらかというと原産地よりも革をなめすタンナーという革を製品化するための素材へと加工する国が重要だったりして、DELIFEで使っているものは日本の姫路レザーだけを使ってます。

 

 

ー勉強になります(笑)。もともとレザーに興味があったのですか。

実は18~23歳まで板前をやってたんです(笑)。

板前をやっていた時は本当に厳しくて、初めて2年目とかにはもうやめようと決めていました。3年目の時にやめようと思ったんですけど辞めれなくて結局5年目まで続けてやめるんですけど、あんまりにも厳しかったのでもうその時からレザークラフトを趣味でやりながら、「俺は自由に生きるんだ」みたいな思考にずっとなっていました。

辞めてすぐにレザークラフトを本業としてバイトをしながらやっていたんですけど、今ではバイトも辞めてレザークラフト一本でやっていけるようになりました。

 

 

ーなるほど、レザークラフトとの出会いを教えてください。

僕最初は家具を勉強していたんです。家具のデザインとかもしていてその流れで自分で家具を作ろうってなった時に、本格的な家具を作るとなるとものすごい機械が必要なんですね。その機械のために何千万円とかいう費用が必要だということを知って、これだと思っているような家具は作れないぞってなってしまいました。

そこから少し視野を広げて資金があまりかからなく作れるものはないかなって考えた時にレザークラフトがあると思って、レザークラフトをはじめました。

 

 

ー板前をやめて、自分の道に踏み出せた勇気や決意を支えたものや考えなどはありましたか。

「継続は力なり」って言葉を大切にしていて板前も結局5年目でやめっちゃってるですけど、それまでしっかりと1つのことをずっとやったことがなかったんです。そんな自分に嫌気がさしていて、今回こうやって板前を始めたけど結局やめちゃうのかって、、、

それで革製品を作り始めて、これは貫いていこうっていうのは決めて途中で革製品から家具とかになるかもしれないけど、一つのことを絶対にやり続けようっていう気持ちを作りながら徐々に決めていった感じですかね。

最初から覚悟を決めてという感じではないんですけど、自由に生きることやマイペースにものを作ることを自分で選んで、実際に作り始めてから楽しくてこれは継続していこうって決めた感じです。

 

 

ー結構思い切った行動のようにも思うのですが、行動力の源のようなものはあったりするのでしょうか。

元々ネジは飛んでる方なんですけど、、(笑)。

面白いことを小6くらいからしたいと思っていて、自分が人と違う面白いことをして人が笑ってくれると嬉しくて、それが今でも頭の中に残っていて、なんかファニーなものを作ったりした時の人の反応が好きなんですよね。これなんだ、みたいな。

なんかしっかりできたものを見てもらって「これしっかりできてるね」って言われるより、「え、面白いねこれ」って言われる方が好きですね。

なんかサプライズ好きというか、びっくりされる反応を見るのが好きなんです。その人をびっくりさせたいという思いはあると思います。

 

 

ーレザークラフトを継続してこれた原動力やモチベーションはどのようなものなのでしょうか。

原動力でいうと家族に褒められたいんすよ(笑)。 

なんか家族を安心させたいって気持ちがとても強くて。昔めっちゃ不良だったとか、とんでもないやりたい放題だぜって感じでもなかったんですけど、それなりに心配させてきたので家族を安心させたいっていうのが一番かもしれないです。

末っ子なんで、それが一番大きいですね。結婚とかしたらそれがお嫁さんになるのかもしれないけど、大切な人を安心させたいというのが僕の中では結構大きいですね。

 

 

ー素敵ですね。ご家族も革製品を利用されたりしてるんですか。

少し前に初めての個展をしたんですけど、3年ほど前かな、、。

その時に場所が西麻布の住宅街という偏屈なところにGRINDという雑誌を作っているミディアムという会社があったんですよ。そこの1階で開催したんです。そこに展示会の存在も知らないと思っていた親がサプライズ的な感じで来てくれてとても恥ずかしかったんですけど、その時に買ってくれたものを今でも使ってくれていて、、。

当時はめちゃめちゃ恥ずかしかったけど、今でも嬉しいですね。

 

 

ーありがとうございます!次に雄介さんが考える革・レザーの魅力について教えてくだい。初めてレザーの良さを感じた瞬間とかがあったのでしょうか。

最初亡くなっちゃったじいちゃんの形見の中になんか持っていけるものはないかなって、家族でタンスを触ってたら革のコインケースが出てきて、それをしばらくずっと使ってたんです。
古くてボロボロだったんですけどすごい使いやすくて、使ってるうちに壊れちゃったんですけど、その使いやすい印象が結構強く残っていました。レザーってすごくいいなって。

 

 

ー耐久性や経年変化によってものに想いが詰まっていく面白さが魅力の一つなんですかね。

同じ商品であれば極力同じになるように作るようにはしてるんですけど、革の雰囲気とかも全部違うんですよね。家具屋さんで展示されてるソファーとかでも場所によって革の風合いが違うところとかあるじゃないですか。
そういう革の魅力の部分は積極的に使っていきたいなと思っています。
製品なんだけど一点一点違うっていうのもまた面白いなと思います。

 

 

ー活きた素材ならではの面白さなのかもしれませんね。活きた素材にこだわる理由などあったりするのでしょうか。

そうですね、革とか木とかはやっぱり最高ですよ。そして面白いんです。元々布ものを使ってたんですけど、ただの作業のように感じて全然面白くなくて。

でも革を使っているとすごい楽しくて。すごいシビアですぐに傷もつくし、でもそういうところが楽しいなと感じます。

 

 

ーなるほど、ありがとうございます。次にDELIFEを通して表現したいことについて教えてください。

布物とかが異常に安く売られているじゃないですか。それってただ買うだけならいいんですけど、Tシャツとかでも安いものだとすぐに首が伸びてダメになっちゃたりするじゃないですか。それって使う人もコスパ的に良くないし、環境にも当然悪いわけじゃないですか。

その点で革は結構、というか究極にサステナブルなんですよね。基本的にずっと使えるっていう。

あんまりサステナブルっていうのも今っぽくて嫌なんですけど(笑)。

DELIFEの革製品が広がっていくことでそのような流れが少しでも広がっていけばいいなと思っています。

 

 

ー他の革製品にない特徴や意識しているポイントなどはありますか。

世界観でいうと、アクティブに使える革製品です。例えばこのトート(エコバッグ)で言えば、レザーだけど普通に洗えるんですよ。なのでアウトドアで泥とかがついても洗える。
アクティブな感じで使える革製品というのを表現したいと思っています。ブックカバーとかコインケースとかは洗えないんですけど、デザインがカチッとしていないポップな感じにするように意識しています。

デザインもアクティブでポップな感じにしたら面白いのかなと思っています。

 

 

ーアクティブでポップなものを作ろうと思ったきっかけや経験ってありますか。

元々はしっかりとしたシックなデザインの革製品の卸売をしていたんです。ただ作っていて自分のキャラに合っていないなと思ってしまって(笑)。

デザインとしては好きなんですけど、自分の私生活こんなにかっちりしてないなって思ったんです。自分のライフスタイルに合ってないなって。

趣味でDJをやっていたり、スケボーをやったりスノボーをやったりしているんですけど、僕みたいに遊びまわってるキャラが使ってるデザインってあるじゃないですか(笑)。だからDELIFEでは自分がデザイン的にも本当に使いたいポップなデザインで作っています。

 

 

ー好きなデザインはどのようなものですか。

トムサックスのアート集とか結構見たりしています。彼のシャネルのパッケージでマクドナルドのポテト入れを作るみたいな、デザインにおける発想の変換が好きです。DELIFEではBBQ PlateっていうBBQ用の紙皿をレザーで作るとか、ポストカードとか、なんか変態チックなものを作ったりしています

DELIFEをそういったデザインの発想の変換をレザーで表現していくファニーなブランドにしていきたいです。なのでいろんなアート集のぶっ飛んだアーティストの人が行っている変換をレザーで行っていけると面白いかなと思っています。

 

 

ー面白いですね!DELIFEをどういう人に使って欲しいですか。

年齢的に25~35歳の方に使って欲しいです。作りとかデザインを割とポップにしているので、布ものを使うような感覚でレザーを使って欲しいです。ポップで可愛いなっていう入り口から、これ物持ちいいなっていう風に使っていって欲しいなと思っています。

入りは簡単なんだけど、結果的に長く使えたよねっていう感じですね。

 

 

ーありがとうございます。最後にDELIFEの今後の目標を教えてください。

DELIFEでいうともうちょっとソーシャルなビジネスにしていきたくて、ビーガンレザーを積極的に使っていこうかなと考えています。簡単にいうと合皮みたいなものなんですけど、ビーガンレザーを使っていきたいです。そのあとに元々やりたかった家具に移っていきたいなと思っていて、家具と革を組み合わせてまた別のブランドをやりたいと思っています。

今行なっているシュミレーションのオーダー(オーダーメイドで革製品を注文する)でも革製品だけではなくて家具も取り扱っていきたいです。

 

 

ー地球が抱える課題の部分を解決しながらも革と家具から人々のライフスタイルを彩るブランドですね。

本当に家具も合わせて作っていきたいなと思っていて、一番最初にあったライフサイクルっていう点で、木の伐採とかも今問題になってるじゃないですか。だけど森を育てるための間伐材というのも必要で。

それも環境問題とか社会貢献の一部だと思うんです。木や革といった生きた素材を使って、そういった問題にアプローチしていきつつ、デザインはファニーなものを作れたらいいなと思っています。

 

 

ーありがとうございました。

 

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「継続は力なり」。何かと言われてきたことだけどやはり難しく、三日坊主になってしまいがち。

物事を継続するためにはもちろん自分をコントロールすることは大切だけれど、それ以上に自分の好きなことであるということが大切なのかも。

そして好きなことを探すことと同じくらい、好きな時間の過ごし方を考えてみることも「好き」を見つける一つの方法なのかもしれません。

自分のリズムに合わせてマイペースに時間を過ごしていく。

そんな中で革製品が自然と色づき使いやすくなるように、私たちも自分の好きなことに気づきそれが自分の生き方になっていくのかもしれません。

 

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