aoi oidaira
「創る」ことで共感からリアルなつながりを生み出す。若者から多くの支持を集める『BUY ME FOOD』aoi oidairaの原点。
いつどこにいても誰とでも繋がっていて、いつの間にか「共感」を追いかけてしまっている現代。自分に正直に目の前のことに打ち込むことや、好きなことを表現すること。
それが本当の「共感」を集める方法の一つなのかもしれない。
そのためには、まずは自分の「好き」を知ること。
多くの情報で溢れ将来の選択が難しくなる中で、一足早く自分の道を見つけ、「好き」を体現するアーティストの活動の背景や価値観に迫る。
10代~20代の若い世代から絶大な人気を誇るBUY ME FOOD。それを手がけるのは現在東日本橋のCITANにて、キッチンスタッフ兼バリスタとして働くaoi oidaira。
同世代から多くの共感を集める彼女がBUY ME FOODを始めたきっかけや現在の目標、そして将来の夢まで、想いの奥底を覗いてみる。
「何かを創りだすことで応援してくれる人に想いを伝えたい」という彼女の考えや言葉のなかに、「好き」を見つけるためのヒントを探してみる。
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【Profile】
aoi oidaira / BUY ME FOOD
ファッション雑誌のインスタグラマーとして活動後、2015年からBUY ME FOODとしてアパレル販売を開始。
「The Youth Night」が開催されているCITANでスタッフとして働きながら、定期的にECサイトにてオリジナルアイテムを販売。
MCのmaco marets主催イベント「Woodlands Circle Club」や友人のイベントに参加し、POP UPを開催するなどして活動中。
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ーBUYMEFOODを始めようと思ったきっかけを教えてください。
私は中学生の頃から一人旅に行った経験をブログにして書いたり、18歳の頃からインスタグラマーをしていたこともあって、多くの方に知ってもらう機会がありました。
ある時、旅行で訪れたニューヨークの古着屋でデニムジャケットを買ったのですが、当時DIYが流行っていた時期だったということもあって、自分でそのジャケットに刺繍をしてみたらみんなから「可愛い、可愛い」って評判がよくて。
いつの間にかみんなが刺繍をしてほしいって言ってきてくれるようになったのですが、別に刺繍を勉強してきた訳でもないし適当にやってみただけだから、本格的に刺繍とかしてあげられないなと思って。
それで、その刺繍部分を写真に撮ってTシャツにプリントしたのが始まりなんです。
その時は『BUY ME FOOD』っていう名前もついていなくて、ちょくちょくそういう販売をしてました。そこで何かフレーズを元にしたロゴデザインをして、それがたまたまBUY ME FOODだったんですよね。
ーそうだったんですね。当時ブログには何を書いていたんですか。
私アメリカかぶれだったから(笑)。
ブログ自体書いていたのが中学生の頃だから、アメリカが好きで一人旅をした旅行記だったり、好きな洋楽や映画のことを書いていて、それが始まりです。
ーちなみに洋楽だと何を聞かれていたんですか。
初めはマイケル・ジャクソンだったかな。もうThe! King of Popみたいな(笑)。めっちゃかっこいいなって。今でも大好きです。
ーなるほど(笑)。何かアメリカに興味を持ったきっかけになる出来事とか経験があったのでしょうか。
映画もよく観てたし英語の教室にも通っていたから、小さい時から英語には触れていました。単純に中学生って影響を受けやすい時期でもあるし、その時の小・中の学校生活がすごいつまんなくて。
ーなるほど。
そう。いじめもあったし単純に刺激を求めていた時期でもあって、たぶんその時に刺激的に思えたのはアメリカンカルチャーだったのかなって思います。
映画とか向こうのカルチャーに興味を持つようになりました。言ってしまえば現実逃避ですよね(笑)。
ー確かに私も今思えば小・中学生の時、海外のカルチャーってすごく新鮮に感じました。
その頃にディズニーのハイスクールミュージカルがたまたまテレビで流れていて、「こんな高校生活送りたい。」って単純に憧れて、そこからもっと英語を意識するようになりました。その頃からアメリカのリアルな文化を好きになってユーチューバーを見だしたり、
アメリカのハイスクールのあの縦長のロッカーとか、、何だろう(笑)。あの感じにめっちゃ憧れていました。
ーアメリカの青春ドラマってキラキラしてますよね。ちなみにアメリカだとどこが好きですか。
初めて海外に行ったのがいとこと訪れたニューヨークで。それこそ、ニューヨークで撮影されてる映画をすごい見てたから、「ここ映画に出てた通りだ!」ってめっちゃテンションがあがっちゃって。
でもその時の旅行じゃ全然時間が足りなくて、その後高校に入ってバイトをしてお金を貯めて、ニューヨークに行くってことを専門学校を卒業するまで4回繰り返したんです。
一人でサンディエゴやロサンゼルスにも行ったりもしたんですが、でもやっぱりニューヨークが一番好きです。
ーありがとうございます。次に、『BUY ME FOOD』として活動する原動力を教えてください。
正直こんなに長くやるつもりは全然なかったんです。
インスタで言えばフォロワーさんは付いてくれているものの、やっぱりSNS上だから「Aoiさんのことが好きです。」とか「いつもみてます。」といったコメントをありがたい事にたくさんいただいてはいたんですが、やっぱりインスタ上の私はほんの一部でしかなくて。
インスタグラマーをやらせていただいていた時は、いいね稼ぎをするための投稿をするようになっちゃってて。本当の自分のやりたいことを発信したり投稿していないのにいいねを稼ぐ。その状態に違和感を感じて、2年間頑張って続けた後やめました。そこから自分の好きなものだけ載せようと思って。
そこからは、いいね数やフォロワーさんの数を意識せず自分の好きなことを発信しようとしていたから、インスタグラマーをやめてフォロワーさんが減っていくだろうなって思っていたんですけど、その後も見てくれている人はたくさんいてくれて、「写真が好きです!」「もうTシャツ販売しないんですか?」って声をいただいたり。私が発信することを求めてくださっている方がいる限りは続けようかなって思いから不定期で販売を続けています。
ーなるほど、、実は私の友人にもaoiちゃんのファンがいたりします。
結構CITANで出会った人たちにも「aoiちゃんのこと知ってる友達がいてさ。」みたいに声をかけてくれて。実際、街とか歩いていても声を掛けられることって結構あるんですよね。表参道とか歩いていても、あと横浜駅のトイレとかで「aoiさんですよね。」とか(笑)。
ー緊張しちゃいますね、、(笑)。ただ、自分が作ったブランドを通して自分の好きなものを応援してくださる人に届けられるってすごい素敵だなと思いました。
私は商品を提供して、相手はそれを買ってくれて。それでなんかやっと一方通行じゃない関係性っていうか、ちゃんとコネクトしているなって。いつもみてくれているお礼じゃないけど、何だろう、モチベーションっていうのかな。そういう感じで続けています。
ーとても素敵です。話は変わっちゃうのですが、BUY ME FOOD以外にもCITANに併設されてるカフェ、Berth Coffeeでコーヒーも淹れられてますし、インスタグラムのストーリーに出てくる朝ごはんも本当に美味しそうですよね(笑)。
コーヒーを始めたのは本当に最近で、まだまだ勉強中。
料理に関しては、食べることが好きだし可愛くて美味しそうな食べ物やお菓子が好きです。そして朝ごはんを作るのが最近のマイブームなんです!
それこそアメリカかぶれの話に戻るけど、アメリカの焼き菓子やキャンディーがすごい好きで、一人旅に行ってもカフェ巡りをしたり焼き菓子を食べたり、スーパーに行ってアメリカの「どんだけ着色料を使ってるの?」みたいなお菓子を買ったりするのとかも好きです(笑)。
ーサワーパッチとか!?
そうそう!サワーパッチとか(笑)。そういうのを買ったりするのが好きだったり。
それこそ YouTubeでレシピを見たり、料理本を買ったり、料理教室やお菓子教室に通っていた時期もあって感覚的にこうすればこうなるなっていうのは染みついているのかも。家でお菓子を作ったりするのも好きで、今もBerth Coffeeで焼き菓子を作っています。
基本的に”創ること”が好きなんだろうなって思って。料理を作るとか物をを造るとか、向いてる向いてないは置いといて好きなんだろうなって思ってます。料理は特別上手い訳ではないし、勉強した訳じゃないんですが。自分の勘で大体のことはフリースタイルでやっています(笑)。
ーちなみに「何かを創る」ことが好きになった経験ってあったりするんですか?
小さい時は、漫画家になりたかったんです。だから漫画もよく描いていたし、アトリエにも通っていたから油絵も描いていました。実際にお姉ちゃんは今画家をしていて。多分、格好よく言ったら芸術とかアートとかそういうのを身近に感じて育ってきたのかなと思います。
ーBUY ME FOODのデザインにも昔の夢や環境が影響しているんでしょうか。
デザインっていうほどのものではないんですけど、『BUY ME FOOD』のロゴの文字間隔やちょっと波打っている感じとか実はこだわっていて、でもぱっと見ではこだわってる風には見えないみたいな。
凝ってるなぁ感をだしたくなくて、ラフでシンプルな感じに、女の子でも男の子でも着れるようなデザインがいいなと思っています。
ー現在の目標や夢は何でしょうか。
空間デザインをやってみたいなと思っています。
結構インテリアを見ることが好きだし、海外のお店の内装を見ることも好きで。将来は自分のお店っていうか空間を持ちたいなって思っています。空間があれば、飲食もできるし、コーヒーも淹れられる。結構自分の周りにクリエイターさんやデザイナーさんも多いからそういう人たちとコラボしてイベントを行ったり、ギャラリーみたいなスペースにしたり、コワーキングスペースにしてもいいなと思っています。
何でも屋じゃないけど、なんかそういう空間を持ちたいなっていう漠然とした夢はあります。そこで映画を見てもいいし、仕事をしてもいいし、コーヒーを飲みに来てもいいし、そんな場所を作りたいと思っています。誰かの生活の中でのハイライトを生み出せるような場所。
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多くの若い世代から人気を集めるaoi oidaira。彼女が手がけるBUY ME FOOD。10代~20代の若者たちが彼女に憧れ共感する理由。それは、彼女自身が常に等身大の姿や言葉を発信しているからかもしれません。
思春期の葛藤。そこから広がる新たな世界に目を向け、真っすぐに自分の「好き」な世界に飛び込み、何かを創り続けることで自分を表現する彼女。
「等身大が一番難しい」そんなリリックをどこかで聞いたような。
“好き”は意外に私たちが思っている以上に身の回りにあったり、もしかしたら自分の心の中ではもう気づいているのかも。
発信の機会が多くなる中で人からの共感を追いかけてしまいがちな世の中でも、まずは等身大の自分に従ってみる。
そうすることで、今まで見えなかった「好き」を見つけるためのヒントが見つかったり、”いいね”だけに収まらない心からの共感を得られたりするのかもしれません。